AWFCJ(アニマルウェルフェア
フードコミュニティジャパン)主催!
AW活動団体の取組み事例等を紹介!
- 感想
・日本のAW普及の課題は『認知度』。
・特に消費者がAWを知らないため生産者がAWに取り組んでもコストが上がるだけでなかなか付加価値が生まれないといった印象。
・ヨーロッパのAW先進国におけるAWの認知度は比較的高いが、この認知度の高さは時間をかけて徐々に浸透し作り上げられてきたものであるため、日本でのAW認知度向上も時間がかかる?
・一方、今はSNSが普及しているので上手に使うことができれば若年層を中心にもっと広がる?
各講演について
アニマルウェルフェアフードコミュニティジャパン(AWFCJ)の活動紹介
Summary
矢崎栄司(AWFCJ)さんより
AWFCJの活動の一環として、「AW改善3ヵ年計画」を推進していることが紹介されていた。少なくとも15の牧場・団体等がこの活動に賛同しており、今後ますますAWの取組みは広がっていく予定とのことであった。
Point
- AWFCJが推進する「AW改善3ヵ年計画」を少なくとも15の牧場・団体等が実施している。
Comment
- 私が思っているよりも多くの牧場・団体等がAWに取り組んでおり驚いた。
「End the Cage Age」オルガ・キコウ氏(Compassion in World Farming EU代表)講演報告
Summary
池嶋丈児さん(EAT NATURAL代表)より
EUでの、家畜をケージに閉じ込める時代を終わりにしようという”End the Cage Age”という活動についての講演報告。なんと1年で140万人の有効投票を獲得し、2027年にEU全土でのケージの撤廃と禁止に向けて活動されている。
Point
- EUにおいては市民のAWの意識が非常に高い。
- EUでは、鶏、牛、豚に限らず、うさぎ、アヒル、ガチョウなどのケージ飼いも撤廃・禁止に向けて活動されている。
- AWは「食の安全性」「食の持続可能性」の観点からも非常に重要であると考えられている。
Comment
- EUにおけるAWの意識の高さは日本と全く違うように感じた。
大規模化する日本の採卵養鶏と韓国・台湾の鶏卵事情
Summary
大木茂さん(麻布大学教授)より
韓国・台湾においては、鳥インフルエンザ等といった疫害対策により、AWが向上した事例があることが紹介されていた。また、平飼い(地面に放しての飼育)は、ゲージ飼いと比較して、AW向上するが生産性は落ちると一般的に言われているものの、生産効率に関しては改善の余地があるとのこと。
Point
- 韓国・台湾等のAWの認知度がそこまで高くない国でも、疫害対策によりAWは向上する事例があった。
- 平飼いの生産効率性に関しては改善の余地がある。
Comment
- 日本においても上記の韓国・台湾の事例のような疫害対策によりAWが向上する可能性があるように感じた。
生協の消費者・産地へのアニマルウェルフェア普及の取り組み
Summary
渡辺彩香さん(東都生活協同組合)より
東都生協では「動物の快適性に”より”配慮した畜産物」をAW関連商品と定義して、それらの利用・拡大に努めている。驚いたのが、AW関連商品が売上に占める割合やAW関連商品購入者の購入理由・意見を調査するといった分析を積極的に行い、AW関連商品がより普及していくためにはどうすべきかを非常に深く検討されていた。
Point
・AW関連商品が売上に示す割合は、肉が5.0%、牛乳が2.4%と低いが、卵は20.5%と全体の卵の売り上げの1/5を超えていた。
・2018年時においては「アニマルウェルフェア」という言葉を聞いたことがある人の割合は16.6%であったが、2022年には40.84%にまで上昇していた。
・AW関連商品を購入した理由で大きい割合を占めていたのは「取り組みに共感した(61.31%)」、「安心感がある(60.3%)」、次いで「健康に良さそう(39.2%)」、「味が良さそう(34.67%)」であった。
・AW関連商品の価格については、「普通(48.76%)」、「高い(48.26%)」といった意見が多かった。
・アンケートで見えた普及の課題は『情報発信の必要性』(=認知度)
・AWの今後の課題としては「交流会等、イベントへの参加率」・「発信の方法の工夫」・「産地への情報提供」の3つを挙げられていた。
Comment
- AWの認知度はここ4年で高くなっていることに驚いた。
- AWの付加価値のキーワードとしては、「共感」・「安心感」であり、そういった意味でも「AWの認知度の低さ」は喫緊の課題であると感じた。
- 意外にも価格についてはそこまで高いと感じていることが少ないように感じた。
命として食を考える 〜アニマルウェルフェアスターターセット販売の試み
Summary
岡田朋子さん(新潟動物ネットワーク代表)より
会の基本理念として「犬や猫に限らず、人と動物とのかかわりを一緒に考えてみませんか?」を掲げて活動されている。アニマルウェルフェアスターターセット(AWに関連する食品の詰め合わせ)の販売を通して、AWの普及に取り組まれている。
Point
- 過去にも同様の取り組みを行っていたらしく、アニマルウェルフェアスターターセット購入者に対するアンケートでは、「アニマルウェルフェアという言葉を知っていた」人の割合は78%、「普段、肉や乳製品を購入する際にアニマルウェルフェアを意識している」人の割合は49%であった。
Comment
- 上記の東都生協のアンケートにもあったように、AWを知っている人・認知している人はAWに関連する商品の購入意欲が高いように感じた。
アニマルウェルフェアの視点から見たヨーロッパ養鶏(卵・肉)最新動向 ー2023年夏 フランス・スペインの状況を中心にー
諸事情により省略 [ 植木美希さん(日本獣医生命科学大学教授)より ]
グローバル企業が進めるAW戦略最新情報とヨーロッパの「End the Cage Age」が企業に戦略に及ぼす影響&日本の食品企業の現状とAW食品リテールの変容
Summary
上原カバリヤまほさん・藤田美香さん(ザ・ヒューメイン・リーグ・ジャパン)より
THE HUMANE LEAGUE(ザ・ヒューメイン・リーグ・ジャパン)は、企業のアニマルウェルフェアの取り組み(主に鶏卵の調達をケージフリーに変える支援を行っている)とのことで、今回の講演は、その「ゲージフリー」に関する内容であった。
Point
- ケージ飼育の鶏への負担としては、筋骨格系の衰弱や骨密度の低下等といった数多くの報告がされている。
- グローバル企業の多く(2,500以上の企業:マクドナルド・スタバ・ケンタッキーなど)がゲージフリー調達の方針を示している。
- 米国のゲージフリー率としては、2022年12月時点で34.1%である。また、米国の8の州で「ゲージ飼育と販売を禁止」、その他5つの州で「ゲージ飼育を禁止」している。
- 欧州において、非ゲージ飼育の採卵鶏の総数は全体の56.8%(2022年)と半数を超える。
- 日本においても60以上の企業()がゲージフリー方針を掲げており、また動物福祉政策のある日系企業(NISSIN、明治、セブンイレブン等)も一定数いる。
- その他、中東・韓国・中国でもゲージフリーに取り組んでいる企業がある。
- 今後の展望としては「国内で多様なゲージフリー飼育が増えて技術力がつき、知識共有ができる」、「ゲージフリーの明確な定義・国の認証が必要」であることを掲げていた。
Comment
- 日本においても多くの企業がゲージフリー方針を掲げていることに驚く一方、欧州や米国等の諸外国におけるゲージフリーの普及率は日本に比べて非常に高いことにより驚いた。
その他情報
2023オーガニックライフスタイルEXPO
AWFCJ(アニマルウェルフェアフードコミュニティジャパン)セミナー
開催方法:オンライン(ZOOM)
開催日時:2013年9月15日(金) 10:00〜16:50
<プログラム>
開会・挨拶 10:00
アニマルウェルフェアフードコミュニティジャパン(AWFCJ)の活動紹介
矢崎栄司(AWFCJ)
[講演1]10:20〜11:00
タイトル:「End the Cage Age」オルガ・キコウ氏(Compassion in World Farming EU代表)講演報告
講師:池嶋丈児氏(EAT NATURAL代表)
[講演2]11:00〜12:00
タイトル:大規模化する日本の採卵養鶏と韓国・台湾の鶏卵事情
講師:大木茂氏(麻布大学教授)
<休憩>
[講演3]13:00〜13:30
タイトル:生協の消費者・産地へのアニマルウェルフェア普及の取り組み
講師:渡辺彩香氏(東都生活協同組合)
[講演4]13:30〜14:00
タイトル:命として食を考える 〜アニマルウェルフェアスターターセット販売の試み
講師:岡田朋子氏(新潟動物ネットワーク代表)
[講演5]14:00〜15:00
タイトル:アニマルウェルフェアの視点から見たヨーロッパ養鶏(卵・肉)最新動向 ー2023年夏 フランス・スペインの状況を中心にー
講師:植木美希氏(日本獣医生命科学大学教授)
質疑応答
<休憩 10分>
[講演6]15:10〜15:50
タイトル:グローバル企業が進めるAW戦略最新情報とヨーロッパの「End the Cage Age」が企業に戦略に及ぼす影響
講師:上原カバリヤまほ氏(ザ・ヒューメイン・リーグ・ジャパン)
タイトル:日本の食品企業の現状とAW食品リテールの変容
講師:藤田美香氏(ザ・ヒューメイン・リーグ・ジャパン)
[アニマルウェルフェア交流セッション] 15:50〜16:50
生産農場の紹介及び参加者(生産・研究・流通・消費)からの声とAW普及・フードチェーン形成に向けた意見交換
閉会 16:50
Comment